来る2010年1月15日(金)オブラブ冬イベント「アレグザンダー祭り」を開催いたします。
今回のテーマは「アレグザンダーを考える。パタン・ランゲージ、漸進的開発、そして生成の原則へ」
概要、主旨文の最後にある下記のアンケートにご回答いただけますでしょうか。
■概要
オブジェクト倶楽部では、デザインパターンやアジャイルプロセスの原点であるアレグザンダーに再び着目し、これからのソフトウェア開発が向うべき方向性へのヒントを持ち帰っていただきたいと考えています。
ソフトウェアパターンムーブメントのキーパーソンであり、パターンやオブジェクト指向についての数多くの著作を記しているJames.O.Coplien氏と、アレグザンダーに師事した経験をもつ建築・町づくりの第一人者である中埜博氏/笹川万国氏をお招きします。
Coplien氏には「ソフトウェア開発とパターンと生成の原則」に関する講演を、中埜/笹川両氏にはアレグザンダーのパターンと生成の原則を体感できるワークショップを実施いただく予定です。また、自分も語りたい!という方々のために、ライトニングトークスも御用意しています。
海外からのお客様をお招きする都合から、事前に大まかな人数を把握したいです。このイベントにぜひ参加したい!という方はこちらのアンケートよりご回答くださいませ。
■ イベント詳細
開催日:2010年1月15日(金)
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(
http://nyc.niye.go.jp/)
参加費:8,000円
■ 趣旨文
建築家クリストファー・アレグザンダーが提唱したパタン・ランゲージ、そして利用者参加型の漸進的開発によって無名の質を追求するプロセス。これらは 1990年台からソフトウェア開発の世界でも徐々に応用されはじめてきました。更にアレグザンダーは2003年に、「Nature of Order」という長年の研究成果をまとめた著作を発表しました。彼はこれまでのパタン・ランゲージ、利用者参加型の漸進的開発の延長線上にある、「秩序の本質」と命名した「生成の原則」を提示しています。
他方、ソフトウェア開発のドメインにおいては、パタン・ランゲージは、デザインパターン、アーキテクチャパターンといったソフトウェアにおけるパターンムーブメントへ適用され、成果を生み出してきました。日本国内においても、JPLoP、情報処理学会の分科会であるパターンワーキングループ [1] などよって、ソフトウェアにおけるパタン・ランゲージの適用についての研究、著作の発表が行われてきました。
また、利用者参加型の漸進的開発は、eXtreme Programming、Scrumといったアジャイルムーブメントへと形を変えて世界的に普及しはじめています。日本においても、開発者中心の各種コミュニティ、そして企業中心のアジャイルプロセス協議会 [2] が普及につとめています。
[1] :
http://patterns-wg.fuka.info.waseda.ac.jp/[2] :
http://www.agileprocess.jp/今を去ること10年以上前にアレグザンダーの「生成の原則」に注目していた人物がいました。それがJames.O.Coplien氏です。氏は前述したソフトウェアパターンムーブメントの初期からのキーマンであり、パターンやオブジェクト指向、アジャイルプロセスについての著作を記しています。彼は2000年の来日の際に「East Meets West」 [3] という講演の中で、「生成の原則」をソフトウェア開発に適用するためには、東洋の力が必要だ、力を貸してほしいと講演を締め括りました。それから10年が経ちました。果して我々日本人は、Coplien氏の問い掛けに答えてこれたのでしょうか?
近年、組み込み分野のソフトウェアの急成長、SaaSからクラウド化への流れ、など、業界を取り巻く外的環境が大きく変ってきました。このような変化の激しい時代の中で、われわれソフトウェア開発者は、どのような方向に向かえばよいのでしょうか?
昨年より、オブジェクト倶楽部のメンバーの一部で、パタン・ランゲージ、アジャイルの原点であるクリストファー・アレグザンダーを見つめなおし、彼の目指す方向性、そして最新の「生成の原則」に注目してきました。また2009年に出版された江渡浩一郎さんの「パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則」では、アレグザンダーとパタンムーブメント、eXtreme Programming、そしてWikiの関係性が明かになり、ソフトウェア業界に多大なる影響を与えていることも確認しました。
[3] :
http://www.amazon.co.jp/dp/4774138975今回のオブジェクト倶楽部では、このアレグザンダー、「生成の原則」、そしてアレグザンダーの試みのソフトウェア開発への応用に着目し、これからのソフトウェア開発が向うべき方向性へのヒントを持ち帰って頂きたいと考えています。
そのために、前述のJames.O.Coplien氏を、そしてアレグザンダーに師事し、日本におけるパタン・ランゲージを用いた建築、町づくりの第一人者である中埜博氏/笹川万國氏をお招きします。Coplien氏には「East meets West」から10年後の今、どんなことを考えているのか、中埜/笹川両氏には、アレグザンダーの考えるパターン、そして生成の原則を体感できるワークショップを実施していただきます。
本イベントを通じて、参加者の皆さまが今後のソフトウェア開発のあり方について、気づきを得ることができれば幸いです。
■ 講演者について
James.O.Coplien 氏
Jim ("Cope") Coplien氏は、組織パターンの父、ソフトウェアパターンの創設者の一人、1990年代の実践的オブジェクト指向設計のパイオニア、広範囲に渡るソフトウェアデザインと組織改善の権威です。Cope氏は、Pasteur Organizational Patternプロジェクトの創設者です。このプロジェクトはBorland QuatroPro Windows版のために設立され、JEff Sutherland氏がスクラムのプラクティスにスタンドアップミーティング(朝会)を含めるきっかけにもなりました。また、このプロジェクトは、Extreme Programmingにも影響を与えました。
現在、Cope氏は、デンマークのGertrud & Cope、そしてScrum Training Instituteのパートナーであり、認定スクラムトレーナーとしても世界各国でスクラムのトレーニングを行っています。また、Cope氏はプログラミングからパフォーマンス評価、組織改善のアセスメント、組織開発やプロセス改善、システムアーキテクチャのコンサルティングまで幅広く活躍しています。
氏は『C++プログラミングの筋と定石』、『マルチパラダイムデザイン』などの設計やプログラミングの著作で知られています。また氏はパターン規律の発起人の一人でもあり、『Organizational Patterns of Agile Software Development』は今日のアジャイル業界に大きな影響をあたえています。次の著作は、Gertrud Bjørnvig氏と共著で、『Lean Architecture for Agile Software Development(アジャイルソフトウェア開発のためのリーンアーキテクチャ)』で2010年に出版予定です。
中埜博氏
1973年早稲田大学理工学部建築学科卒業。
1978年カリフォルニア大学バークレー校設計学部大学院卒業。
帰国後はクリストファー・アレグザンダー主宰の環境構造センター(C.E.S.)在日代表として盈進学園プロジェクトに参画。名古屋工業大学、神奈川大学の非常勤講師や住宅・都市整備公団のコンサルタントなどを歴任し、現在は㈲東京環境構造センター代表取締役としてパタンランゲージによるまちづくりや共通言語づくりを提唱し、建築設計やまちづくり、コミュニティづくりを実践中。また、中心市街地活性化マネージャーとして登録し、法政大学非常勤講師、中小企業大学校タウンマネージャー育成講座・国土交通省建設大学校講師等を務める。
笹川万国氏
北海道大学在学中にアレグザンダーの存在を知る。
卒業後、早稲田大学専門学校(現・芸術学校)で建築を学ぶ傍ら中埜博氏に師事。
2000年にカリフォルニア大学バークレー校客員研究員として渡米して以来、アメリカ、イギリスで同校教授・アレグザンダーによるプロジェクトや研究等に参画。
2004年、プリンスィーズ・スクール・オブ・トラディショナルアート(イギリス)修士課程修了。昨年イギリスより帰国。現在はヨーロッパ環境構造センター在日代表として、パタンランゲージやネイチャー・オブ・オーダー理論等の日本での普及活動に様々な形で取り組んでいる。